野良ネコに餌をやってはダメ
2008年05月14日
私がよく買い物をするスーパーの入り口付近にはいつも数匹の野良ネコがいます。
たまに買い物客がくれる食べ物が目当てです。
かわいいので、私も以前までは買った食糧の一部をあげたりしていましたが、
本当は、餌をやっては
いけないんですよね。
これは、お互いのためなのです。
よく見ると、完全に「野良」の目をしています。
今はもう餌をあげていませんが、以前餌をあげた時、野良は絶対に直接私の手から口で餌を食べません。必ず前足で一旦地面に落とし、私から少し離れてからようやく食べ始めます。食べている間も、こちらの動きを見ています。
捕まえられるのを警戒しているのです。
ネコはかわいいですが、野良ネコは不衛生で、どんな病気をもっているかわからないので、触らない方がいいです。野良ネコはすぐ逃げるので、なかなか触れませんけど。
大型バイクがいきなり来たら、ひらりとよけて、運転手がいなくなったら、バイクに登ってシートに座ってしまいました。なかなかしたたかです。
日常的に餌をやってしまうと、野良ネコがそこに住み着いてしまうばかりか、それを知った地区外の人が飼えなくなった猫を捨てに来たりして、増加に拍車をかけることも多いといいます。
野良ネコが増えると、糞などの害のほか、近所のゴミを散らかしたり、花壇を荒らしたり、車やバイクを傷つけたりすることもあります。このような理由で、町内会や、衛生上の理由で食料品店などから要請を受けると、行政は捕獲せざるを得ません。
捕獲後は南城市大里字大里にある県動物愛護センターに移送され、
飼い主や里親が現れなければ、殺処分されてしまいます。
これは本土も同じで、行政が再三、餌をやらないように注意していますが、なかなか実行されません。本土では、かわいいとか、かわいそうと言って餌をやる人と、反対する住民の間でトラブルも起こることもあるそうです。
餌がなければ、野良ネコは自然と分散します。
沖縄県に、野良犬・野良猫が多いのは、よく知られている事ですが、野良犬・野良猫も好きで野良になったわけではありまん。人間が、「あきた」とか、「子供が生まれて困った」といって捨てている為です。
沖縄本島北部の山原(やんばる)地域では、天然記念物であるヤンバルクイナ、ノグチゲラなどを補食して、絶滅への拍車をかけ、問題になっています。
しかも、捕獲される野良ネコのほとんどは、避妊手術をしていないといいます。
かわいそうだからとか、金がかかるという理由で、飼い主が避妊手術をさせないのです。
しかし、一匹のメスネコを避妊手術させないで放っておくと、飼い主の想像以上に大変なことになります。
一般にメスネコは一年間に3回発情期があり、年に2、3回、1回に5、6匹を出産します。生まれて半年たてば大人になり、出産できるようになります。餌が与えられると栄養状態がよくなり、通常の野良ネコより寿命が延びて増え続けます。
1回に6匹子供を生むとすると、10年生きるとして、その生涯に生む子供の数は180頭にもなってしまうのです。
その子供が飼えるスペースや財力があればいいですが、普通は飼えない、もらい手が見つからないということになり、180頭の野良猫が誕生してしまいます。
増えることで逆に餌が不足し、餓死することもあるし、動物虐待の引き金になるケースもあります。生きるためにゴミを荒らすようになり、最終的には捕獲され殺されるわけです。
どっちがかわいそうでしょう?
問題はメスばかりではありません。オスは子供を生まないからといって安心して放し飼いにしている場合がありますが、 飼い主の知らない所で、他のメスに子供を生ませる可能性が高く、「知らない」では済ませられない問題です。
避妊・去勢手術の費用は、獣医や地域によって異なりますが
オス:1.5〜2万円 メス:2〜2.5万円が目安だそうです。
たしかに安い値段ではありませんが、「生き物と一緒に暮らす」ことには、必ずなんらかの形で「お金」が必要となります。餌代はもちろん、飼育用品の購入費、病気になったら治療費も必要ですし、感染症予防の注射や、イヌの場合には各地方保健所への登録費なども必要です。
一般的に、こういった動物の「必要経費」は、ネコよりイヌの方が高く付く場合が多いようです。
「ペットを飼う経済的余裕はない」のであれば、飼わない方がお互いのためです。
あまり知られていませんが、犬や猫を捨てる行為は、動物愛護法で禁止されており、50万円以下の罰金が科せられます。捨てる側は、「見つからなければいい」のでしょうが、野良の問題がひどくなれば、道路交通法のように罰則が強化されることも考えられます。
先述したように、沖縄の場合、捕獲された野良犬野良猫は、南城市大里字大里にある沖縄県動物愛護センターに送られます。
そこで一定期間拘留されますが、飼い主への返還や里親への譲渡はわずか1割しかなく、9割が殺処分されてしまうそうです。
「動物愛護センター」で
「殺される」わけです。
1年間で処分された猫の数は沖縄県だけで5403頭(2004年度統計)。
沖縄は人口10万人当たりの捕獲頭数が437頭、収容頭数が634頭と全国で2番目の多さです。
飼い主から引き取った数も197頭で全国で5番目に多く、殺処分も559頭で全国で4番目に多いです(2004年度統計)。
沖縄県が野良犬野良猫の処分に使う費用は、
・県が一年間に犬捕獲業者に支払う費用
・捕獲した犬を殺処分するまで拘留しておく費用
・殺処分する設備費
・人件費
など合わせて、
1年間でなんと1億7,000万円弱も使われています。
すべて私たちの税金です。
捕獲業者も殺処分する担当者も、好きでこんな事をしているのではありません。
産ませて持ち込む人について愛護センターは、絶対に避妊をするように注意して帰宅させるようにしているそうです。
しかし、やらない人にいくら指導をしても、結局やらない人がほとんどで、それでも指導しなくてはならない、幾ら指導をしても無責任な理由で持ち込む人は後を絶たない。これが現状だそうです。
東京ではもっと極端な人もいて、愛護センターの担当者が避妊をするように注意すると、「この子は私の家族同然だ。そんな事できるか!」
と逆ギレするそうです。
担当者が、「このかわいい子猫たちは殺処分されますよ。いいんですか。」と聞くと、
「あんたの仕事だろ。こっちにグチられても困るなあ。もう気が済んだだろう。帰っていいか?」
などと言って、会話にならないそうです。
そしてまた定期的に持ってくるそうです。まるでゴミでも出すかのように。
「彼氏ができたから、いらなくなった」
と言って持ち込んでくる若い女性もいるそうです。
動物は、ぬいぐるみでは
ありません。
悲しくなるので書きませんでしたが、こういう考えの人がいる以上、
あえて殺処分の方法を紹介します。
処分方法は、他の多くの施設がそうであるように、このような箱に入れられ、
箱の中に、二酸化炭素ガスが注入され、窒息死させられます。
ガスを注入し始めると、中でバタンバタン暴れたりもがいたりしている様子があるし、叫び声も聞こえるそうです。死亡するまで10分前後。それまで、施設の係員は確認のため、モニターで見ていなければなりません。
まるでアウシュビッツですが、国からの通達では、ガスでの処分を安楽死と認めているそうです。でも係の人は、「自分が見ている限り、そうは思えない。」と言っています。しかし先述したように、このガス殺システムには莫大な経費がかかっているので、よほどの理由がない限り、他の方法への移行は難しいとのことです。
こんな話もあります。本土の東北地方に、動物の大好きな市役所勤務の公務員がいました。ある年、その人に、動物愛護センターへの異動が命じられます。そこで働き始めてしばらくして、その男性はノイローゼになり、入院生活を送ることになりました。そして社会復帰できないまま、ついには奥さんとも離婚してしまったそうです。
本当の動物愛護について、本気で考える必要があると思います。
野良猫はかわいいし、かわいそうですが、餌をあげてはダメです。
Posted by 相方さん at 23:00│Comments(0)
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