F-22最新鋭戦闘機が日本初の一般公開
2009年07月12日

7月4日、米空軍嘉手納基地で行なわれた祭り「アメリカンフェスタ2009」で、同基地に
一時配備中のF-22最新鋭戦闘機が一般公開されるというので、見に行ってきました。
現在、同基地に一時配備中のF-22は12機程いるらしいですが、
展示されていたのは1機のみ。
F-22は、ロッキード・マーティン社とボーイング社が共同開発した世界初の
ステルス戦闘機です。愛称は猛禽類の意味のラプター(Raptor)。
2009年現在までに実戦への参加はないですが、そのステルス性の
高さや卓越した飛行能力などから、
世界最強の戦闘機と言われています。
その能力は、実戦経験のある戦闘機では最強といわれるF-15を相手に、
「100戦以上行われた模擬戦闘で無敗」だそうです。
「1機でF-15を5機同時に相手にできる」
と言われており、訓練中の模擬戦闘でも、
「F-16が300回もの模擬戦闘出撃を行って一度もミサイルの射程内に捉えられなかった」
「目視は出来ているのに(F-15の)レーダーに映らない」など、その能力の高さを
裏付ける逸話は多いです。
最高速度はマッハ2.4(約2,400km)。
アフターバーナー無しでも超音速巡航ができるスーパークルーズが可能で、
スーパークルーズでもマッハ1.7で巡航できるそうです。
その上、ステルス機のため、レーダーには映りません。

最強だからでしょうか? 実に美しい機体です。
普通の戦闘機は、主翼の下にミサイル等の兵器が吊るされていますが、
F-22は、そのステルス性を高めるため、兵器類は全て機体の内部に
収納されているので、主翼の下には何もついていません。
上から見ないとわかりにくいですが、主翼は六角形という変わった形をしてます。
これもステルス性のためのデザインだそうです。
キャノピー(操縦席のガラス)が、見る角度によって黄色く見えるのは、コックピット内部への
レーダー波の進入を防ぐために、金を蒸着コーティングしているためです。

ちなみにキャノピーはガラスではなく、厚さ9.5mmのポリカーボネートを
2枚重ね合わせて成型されています。見渡しやすそうです。
軍事機密の塊であるF-22。その技術漏洩が懸念され、アメリカ合衆国議会は
F-22の輸出を2015年まで禁止する条項を国防歳出法に明示しています。
…最近ちょっと微妙になってきましたけど。

機体の周りは機関銃で武装した兵士が監視していて、
囲われたロープの中に入ることは出来ません。
兵士の後方に見える車輪格納板は、ギザギザの形状をしています。これも
レーダー波を受けにくくするためで、ステルス機によくある特徴です。
それにしても普段は、以前紹介した「道の駅かでな」の屋上にある100円望遠鏡
とかで、はるか遠くにそれらしき機体を確認するか、偶然離着陸に遭遇するしか
F-22を見る機会はないです。


資料画像。
遠くからF-22と確認するには、資料画像のような独特な六角形の主翼、黄色いキャノピー、
四角い噴射口などの特徴で見分けることしか出来ません。
それをこんなに近くで見れて、撮影もOKとは驚きです。
非常に貴重な経験です。
ところでこの最強戦闘機、嘉手納基地に常駐しているわけではありません。
「訓練のため(米軍広報部)」に、遠くアメリカ本土バージニア州のラングレー空軍
基地や、アラスカ州エレメンドルフ空軍基地から飛来してきているのです。

エレメンドルフ空軍基地所属の機体は、尾翼の「AK」が目印だそうです。
ラングレー空軍基地所属は「FF」。
従って、展示されている機体は、ラングレー空軍基地所属だということが
わかります。
初めて飛来したのは2007年2月。3ヵ月間滞在し、5月に帰って行きました。
再びやってきたのは今年の1月。前回と同じく3ヵ月間滞在。
そして4月に帰ったと思ったら、5月30日に、
突然また飛来してきました。
これで3回目の一時配備。今回来たのは、4月に帰ったのとは別の部隊で、
4ヵ月くらい滞在するそうです。
当然地元は大反発。騒音が激化するためです。
北谷(ちゃたん)町の野国昌春町長は、
「前回からわずか1カ月後の配備とは、もはや常駐だ!。」と
むちゃくちゃ怒ってます。
超音速機の轟音は凄まじく、那覇にいてさえ、戦闘機が上空に来ると、
テレビの音は聞こえなくなるし、電話も出来ません。
移住してすぐの頃、この音を聞いて、ミサイルが落ちてきたか!と真面目に
思いましたからね。基地周辺の地元の方々の心情、お察しします。
地元の再三の要請を無視して、真夜中に離着陸したりもするんです。
当然眠れないし、たまったもんじゃありません。
「ステルス機なら静かにせんか!」と
言いたくなりますよね。
それにしても、4月に帰って1カ月後に再びやってくるとは、どうもおかしいです。

米軍は「訓練」としか言わないので、あくまで憶測ですが、F-22の飛来は、
北朝鮮の不穏な動きにリンクしているように見えます。
最初に飛来した2007年は、北朝鮮が日本海に、たて続けに短距離ミサイルを
発射し、金正日総書記の健康状態の憶測も飛び交っていた時期です。
そして今年1月に飛来したときは、何があるのかと思っていたら、
北朝鮮は4月に突然「衛星を打ち上げる」と予告。実際4月5日に
「衛星」と称する長距離弾道弾が打ち上げられました。
自衛隊も迎撃ミサイルを配備して緊張が走りましたが、結局海上に落下しました。
その後、F-22は帰ったのですが、5月25日に北朝鮮は地下核実験を強行。
その直後にまた飛来してきているのです。
一応、日米安保を意識して
いるんですかね?
実際、最強の戦闘機なので、「いるだけ」で威嚇になります。
「日本に何かしてみろ、F-22が相手だ」と言わんばかりに、
北朝鮮に睨みをきかせているかのようです。
ええ、存分に威嚇してて下さい。
そして、いざという時はお願いしますよ。
その金はもうずいぶん
払ってますからねえ。
「いるだけ」で威嚇になるなら、滞在中は、ただ機体をピカピカに磨いていれば
いいじゃないかと思いますが、そういうわけにもいかないらしく、
「訓練」のためにどこかへ飛んでいきます。
日本海上空の辺りで、自衛隊のF-15と共同訓練とかやってるらしいです。
やっぱりうるさいわけです。
ところが、エリートであるF-22のパイロット達は、騒音に対して、
地元に申し訳ない、と思っているみたいなんです。
本来ならF-22は、米軍内でさえ関係者以外は近寄れない軍事機密の塊。
それを地元の民間人に特別に公開することを決断した理由として、
「米空軍の最新鋭戦闘機を(軍内部から)地元の人たちに
見せたいとの強い要望があり、公開を決定した」と説明。
その上で「地元の人たちが間近でF22を見ることで、どのような機体か知って
ほしい」と「アメリカフェスト2009」実行委員長のスコット・ジャービス大佐は
話しています。
嘉手納基地のブレット・ウィリアムズ司令官は、「地元の方々がゆるすのであれば、
実際に飛行させてお見せする事も考慮しています」と言っていましたが、
基地を抱える3市町はいずれも飛行展示に反対し、機体展示のみとなりました。

さて、現在は輸出禁止措置が取られているF22ですが、航空自衛隊の次期主力
戦闘機(FX)の有力候補機として、防衛省が欲しがっているんです。
最強の戦闘機ゆえ、開発コストがかかりすぎ、さらにアメリカ経済の崩壊が重なり、
これ以上生産するのも維持するのも、アメリカは困難になってしまいました。
そして突然手のひらを返し、「日本には売るかも知れない」と言ってきたのです。
価格は1機当たり2億5000万ドル
(約250億円)程度になるそうです。
防衛省には願ってもない話ですが、実は売るのは条件付きで、
背後に複雑な利害関係が存在するようです。
その「条件」というのがくせ者で、アメリカはまた基地の維持費や移転費と同じように、
日本から金をふんだくろうと企んでいるようです。
↓こちらの方が内情に精通しているようなので、興味のある方はどうぞ。
■アメリカにボラれるF-22を買うな!ユーロファイターが国益にかなう!
外交って大変ですね。
個人的には「もう買うなよ」と
言いたいですけどね。
1機120億円もするF-15を、既に200機も
保有しているので、もう十分でしょう。
沖縄に住んでいる以上、戦闘機の騒音には耐えなければいけないので、
せめて、「まさかの時のために来てくれている」と考えていたいです。
でも、「敵に気づかれずに攻撃」したいのなら、
静かに飛ぶエンジンを開発してほしいんですけど。
Posted by 相方さん at 17:00│Comments(1)
│基地
◆ この記事へのコメント
>1機120億円もするF-15を、既に200機も
>保有しているので、もう十分でしょう。
えーと、中国は2000年からこっちSu-30系を100機以上導入してますし、100機以上あるSu-27系も近代化しつつあります。
自衛隊のF-15Jが200機あっても、もうちょっとすると中国を相手にするのは難しくなるでしょう。
二階堂は戦闘機の世代の数え方すら間違っているので信じてはいけません。
こんな人間が軍事について何かを言えるとは思えません。
>ユーロファイターは「3.5世代の戦闘機」、F-22は「第4世代の戦闘機」と呼ばれているのだが(ちなみにF-15は第3世代、F-35は第5世代)
とあるが
第3世代:F-4
第4世代:F-15、Su-27
第4.5世代:F-15E、ユーロファイタータイフーン、Su-30
第5世代:F-22、F-35
が正解です。
>保有しているので、もう十分でしょう。
えーと、中国は2000年からこっちSu-30系を100機以上導入してますし、100機以上あるSu-27系も近代化しつつあります。
自衛隊のF-15Jが200機あっても、もうちょっとすると中国を相手にするのは難しくなるでしょう。
二階堂は戦闘機の世代の数え方すら間違っているので信じてはいけません。
こんな人間が軍事について何かを言えるとは思えません。
>ユーロファイターは「3.5世代の戦闘機」、F-22は「第4世代の戦闘機」と呼ばれているのだが(ちなみにF-15は第3世代、F-35は第5世代)
とあるが
第3世代:F-4
第4世代:F-15、Su-27
第4.5世代:F-15E、ユーロファイタータイフーン、Su-30
第5世代:F-22、F-35
が正解です。
Posted by at 2009年10月08日 23:09
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