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アレイダ・ゲバラさんの講演に行ってきた

Bフレッツ

2008年05月29日



キューバ革命の英雄、チェ・ゲバラの娘で医師のアレイダ・ゲバラさんが初来日・来沖し、先週土曜(24日)午後、「医療先進国キューバの知られざる素顔と父チェ・ゲバラを語る」の演題で講演をするというので、那覇市のパレット市民劇場にやってきました。


キューバは、南北アメリカ大陸の真ん中にある小さな島国で、アメリカ大陸で唯一の社会主義国です。


過去にアメリカと何回も対立を繰り返しているので、キューバといえば、日本ではどちらかというとフィデル・カストロの方が(アメリカにさんざん悪者扱いされたせいで)よく知られていますが、ヨーロッパや南米では、チェ・ゲバラの生涯と思想は西側の若者や革命を目指す者たちに熱狂的にもてはやされ、その写真は1960年代の後半頃からTシャツやポスターに印刷されるシンボルになっています。


アレイダ・ゲバラさんの講演に行ってきた
世界的に有名なチェ・ゲバラの肖像。


日本でもTシャツなどが売っているので、名前は知らなくても、
この顔は見たことあるという人は多いと思います。


南米の大学では、現在でもゲリラ時代のチェの顔を描いた大きな垂れ幕を掲げているところがあるし、ヨーロッパのサッカースタジアムでは、ゴール裏のファンが、ゲートフラッグにゲバラの顔を描いたものを掲げていることもよくあります。


日本では、それをマネして、浦和レッズのサポーターが
ゲバラの旗を振っていたりしますね。


カストロに「堅固な意志と不断の実行力を備えた真の革命家」と評されるゲバラ。実際に誰よりもよく行動し、革命達成後も喘息を抱える身でありながら寝食を忘れて公務と勉学に励んだといいます。


日本のクソ政治家どもに爪の垢を煎じて
飲ませてやりたいです。

もう故人ですが。



他にもジャン=ポール・サルトルから「20世紀で最も完璧な人間」
と称され、

「世界で一番格好良い男」ジョン・レノンに言われている程の
人物なのです。


一部の人間だけが富を独占したり、国民を抑圧したりするような国の政府から、貧困層を救うために革命家が立ち上がるわけですが、政府のやっている事が良かろうと悪かろうと、革命家は「反体制勢力」として「テロリスト」扱いされてしまいます。


ゲバラも同様に政府軍に捕えられ、1967年10月9日、
39歳という若さで、銃殺により処刑されてしまいます。



銃殺される時、自分を射殺することを躊躇(ちゅうちょ)する兵士に向かって、
「落ち着け、そしてよく狙え。
お前はこれから一人の人間を殺すのだ。」

と言い、それがゲバラの最後の言葉と言われています。
すごい人生ですね。


今年はキューバ革命から50年目。
キューバ革命の英雄チェ・ゲバラの生誕80年にあたるそうです。


この記念すべき年に、チェ・ゲバラの長女アレイダ・ゲバラさんが、初来日し、
約2週間の滞在で、日本各地で講演を開催することになったそうです。


約2週間という短い滞在なので、アレイダ・ゲバラさんが講演をしたのは行った順から
広島・東京・大阪・神戸・那覇の5都市のみ。


特にアレイダさんが強く希望したのは広島で、
「ヒロシマを見なくては日本に行ったことにはならない」と
父チェ・ゲバラに言われていたそうです。


チェ・ゲバラは革命成功後の昭和34年7月に広島を訪れたことがあり、原爆の悲惨な被害を目にして「平和のためにより良い闘いをするには、ヒロシマを見なくては」と書いた絵はがきをキューバに送った事があるそうです。


たった5都市の中に沖縄を選んでくれたのは光栄ですね。


さて、その父のDNAを受け継ぐアレイダさんは、父チェ・ゲバラと同じく医師(小児科医)で(チェ・ゲバラはもともとお医者さんでした)、ハバナの小児病院に勤務するかたわら、現在はキューバ親善大使も務め、父親ゆずりの行動力でラテンアメリカやアフリカを飛び回って、子供たちの医療活動などを行っています。


アレイダ・ゲバラさんの講演に行ってきた

また自らジャーナリストとして、ベネズエラのチャベス大統領にインタビューしたり、昨年上映されたマイケル・ムーア監督作品『シッコ』でもキューバ医師としてインタビュー出演するなどの活躍もしています。


こうしたキューバの医療を通じた国際的人道支援活動や、キューバ国内の先進的な医療が、今や世界的な注目を浴びています。


余談ですが、マイケル・ムーア監督の映画『シッコ』は見た方がいいですよ。
「シッコ (sicko)」とは、「病人」「狂人」「変人」などを揶揄(やゆ)する英語のスラングなんですが、日本語だと、なんか「尿」をイメージしてしまうようなタイトルだし、アメリカ政府の妨害も影響して、日本ではあまりウケませんでしたけど。
アレイダさんはちょっとしか出てきませんが、すごく考えさせられる映画です。


沖縄県民は基地のせいで、それほどでもないですが、日本人の若者の中には、無意味にアメリカに憧れ、アメリカ移住をサクセスストーリーのように考えてる人がいますが、この映画を見ると、いかにアメリカが胡散(うさん)臭い国なのかが解り、行く気がなくなりますよ。中国ほどではないですけど。


あまりにもアメリカの、胡散臭い部分を暴露しているので、上映に当たって、アメリカ政府や大手生命保険会社からかなり妨害を受けたそうです。




アレイダさんは沖縄でも大人気で、定員約四百人のパレット市民劇場は超満員。 会場には立ち見客も含め会場の外まで人が溢れてしまいました。予想外の人気に、主催者側は「もっと広い会場にするべきだった」と困惑顔でした。


キューバは1902年までスペインの植民地だったので、公用語はスペイン語です。
従って、アレイダさんの講演にはスペイン語の通訳がつきます。


アレイダさんは強い心で熱く語る人でした。
たった一人の人間ができることはそれほどないが、世の中を変えたいと思う人たちが尊重し合い、力を携えていくことが大事」とし、社会の変革には連帯と団結が必要だと語りました。


アレイダ・ゲバラさんの講演に行ってきた

キューバは社会主義国であり、日本とは国情が違うことを前置きした上で、国民の医療費が無料で病気の予防に力を入れているキューバの医療事情を紹介し、
医療はそこに住んでいる人の権利。わたしたちの夢は医療制度が社会すべてをカバーできるようにすること」と話し、キューバでは工場や学校にもすべて医師を配置していることや、乳児や妊産婦検診などに力を入れていることを説明しました。


南米諸国をアメリカの搾取から解放し、平等な社会を実現させたいという父の理想と活動について「本当の革命は愛に基づいていなければならないし、父はそのことを実践したと思う」と説明。現在の南米諸国の現状について「ボリビアは南米で初めて先住民の大統領を誕生させ、わたしたちにとって勝利と希望だ」と語り、
他国からの圧力ではなく、
自己決定できる政府の大切さを訴えました。



アレイダさんは、キューバが苦境に立たされている時期に周辺の国に助けられたことから、今は医療などで国際協力を積極的に行っている現状を説明。
「お互いを尊重し、助け合いが必要」と語りました。


沖縄の「ゆいまーる」の精神に似ていますね。


最近の例として、ウルグアイにワクチン100万個を送ったことや緑内障の手術をラテンアメリカ諸国で200万人に施し、今後は1,000万人まで増やす計画があることなどを話しました。


「私たちはお金はないが、
何かしたい気持ちは十分に
持っている」

と、世界の国々と連帯するために行動することの重要性を力説しました。


キューバは日本に比べると明らかに貧民国です。


アレイダさんは、
「こんなに貧乏な
キューバに出来る事が、
なぜ日本ではお金が足りなくなるのでしょう?」

と言っていました。


また、貧しい人たちへの医療活動の中で、南米の先住民族から多くの知恵を得てきたことも紹介。患者との接し方や伝統的な医療を学び、キューバでは出産の時に分娩台を使わず、産婦に無理がないようにしゃがんだり四つんばいの姿勢を導入したり、人工乳ではなく母乳を勧めている現状なども紹介。日本の伝統医療にも関心を示しました。


アレイダさんは那覇に来る前に、地域医療が見たいと宮古島を訪れて、
現地の診療所で、「伝統医療が全くない」と驚いたそうです。


父チェ氏については、
「最後に会ったのは5歳の時。当時、父はキューバにいることは秘密にされ、父の友人と教えられた。しかし、抱き締められた時に守ってくれる特別な感じを持ち、自然にこの人が父だとわかった。私には親に深く愛された感覚があり、それは素晴らしいことだ」と数少ない父との触れ合いを振り返り、子供は親に深く愛される経験が必要、と話しました。


アレイダさんは実の娘として父チェ・ゲバラと比較されることが多いため、
「大切なのはチェの娘であることではなく、キューバの娘であることです。父親であるチェが歴史的に偉大な人であったとしても、娘の私がそうであると限りません。
人の偉大さは
『社会的にどれだけ役に立てるか』
にかかっています。

私は母国キューバのお陰で社会に少しでも役に立てることが出来ています。」
と言っています。


父の死については「父の死を嘆くのではなく、より良い世界のために戦った彼の意思、共感できる彼の哲学を受け継いで、実効することにより、彼は人々の中で生き続けます。だから人を助けるために、私に出来ることをやる、そうすることにより父は自分の中で行き続けます」と答えました。


キューバは、貧しい国ですが、貧しいのはアメリカが経済制裁や軍事介入などでさんざんイジメ続けたせいで、アレイダさんの話を聞く限り、社会主義国としては比較的成功しているように感じます。


貧しい国ですが、みんな貧しいので格差なんかないし、
お互い助け合っているので、あまり不満はないようです。


アメリカのマネばかりして
自己破産状態の日本とは
全く逆ですね。



アダム・スミスマルクスを出すと、話が難しくなるのでやめときますが、
資本主義も社会主義も、もともとは平民に平等な考え方だったのです。


そこに一部の富を独占するような連中が現れるから、制度が崩れ、格差が生まれ、
ついには国が崩壊してしまうのです。


たまたま社会主義が先に
崩壊しただけで、
「富裕層」がいる限り、
資本主義も同じ道をたどると
思います。



英シンクタンクnefによる、178の国や地域を平均寿命や生活満足度などで評価したHPI(Happy Planet Index=幸福度指数)では、1位はバヌアツ(南太平洋)で、キューバは6位、中国が31位、日本は95位となっています。ちなみにアメリカは150位です(笑)。(2005年度統計)


アレイダさんの心の暖かい人でした。彼女の言葉を聴きながら、本当に暖かな温もりに包まれる感じでした。自然に人が集まるようなカリスマ性を感じましたね。


最近の日本には、こういう人がいなくなったと思います。


一部の人間だけが富を独占したり、国民を抑圧したりするような国の政府から、
貧困層を救うために革命家が立ち上がります。


今の日本は、革命家が立ち上がりそうな状況になっていますよね。




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Posted by 相方さん at 23:00│Comments(0)政治
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