ヘンな国、日本

相方さん

2008年12月27日 18:00


沖縄に移住したけど、想像していた沖縄とは違うので、
帰ってしまう、という人は年間約2万人もいるんだそうです。


そういう人は大体、沖縄の悪い所を列挙して、
「沖縄はヘンだ」と言いますね。


でも、外国人の意見を聞くと、沖縄とか1つの地域ではなく、
「日本全体がヘンだ」という人の方が圧倒的に多いです。


2008年は、アメリカのサブプライム問題に始まり、原油、
穀物価格が乱高下するなど、世界経済が大変な年でした。


それに伴って、今まで目立たなかった、「日本のヘンな部分」
浮き彫りになった年でもありましたね。


日経新聞に、慶應義塾大学政策メディア研究科
特別招聘教授の夏野 剛(なつの たけし)氏が、
その「日本のヘンな部分」を指摘していました。


結構面白いし、勉強にもなるので抜粋します。
以下は抜粋。


まずは国のレベル。


一国の首相が2代続けて1年単位で辞任するというのはヘン。任期途中で辞任したのに同じ政党から後継者が出るのもヘン。


首相を選んでいる国会議員の数が800人というのも多すぎないか。そもそも間接選挙は昔の制度で、ITを使った直接選挙を検討してもいいかもしれない。


ひとつの党の中に、政策で対立する派閥があるのもヘン。なのに、さっさと分かれないほうがメリットがあるというのは、制度がヘン。


エリート官僚になるには大学卒業時に進路を判断しなくてはならない、後からなれない、というのもヘン。


官僚の上層部に民間経験者がほとんどいないというのはヘン。


そのくせ辞めた官僚には民間の天下り先を官僚組織としてあっせん・紹介しているのはものすごくヘン。


職の提供は、贈答品やお歳暮を送るのと同じではないか。
贈答品はダメで天下りはOK、
というのは絶対ヘン。
それに文句をつけると役所から嫌がらせされるというのは強烈にヘン。



嫌がらせを恐れておおっぴらに天下り廃止を謳えない経済団体は本当にヘン。


ほとんどの車のメーターの最高速度は160kmなのに、高速道路の制限速度が80kmなのはヘン。


市役所や、大きな病院、銀行など、国民の生活に深く関わる組織が土日休みなのもヘン。


東京ほどの大都市で地下鉄の幹線が24時間営業でないのもヘン。
(先進国の大都市のほとんどの地下鉄は、24時間動いている)


ドラッグストアで普通に売られている大衆薬をネット上では売れないようにしようとする厚生労働省の方針もヘン。


小中学校への携帯電話の持ち込み禁止は理解できるが、私生活を含めて小中学生が携帯をもつことそのものを禁止すべきだという国の委員会だか諮問委員会の意見もヘン。


40歳後半の方を境に、積み立てた額以上の年金がもらえないというのに、騒がないで黙々と払い続けているのはヘン。


制度の見直しが遅々として進まないのもヘン。年金記録のずさん管理がこんなに問題になっているのに、幹部の総入れ替えが議論されないのはヘン。フツーだったら責任とって辞任する人がたくさん出るはずでしょう。


企業のレベル。


個人の能力と関係なく、ある年齢にならないと役員になれないというのはヘン。


何十年も前の卒業した学部をもとにして、理系・文系の職種を分けているのもヘン。


官庁のOBを高い役職で迎え入れておきながら能力主義を標榜するのはヘン。


産休を取った女性の昇進が遅れるのはヘン。女性活用と称して、一部の女性だけ特別扱いするのも逆にヘン。


海外市場での売り上げを伸ばそうとする企業の役員会が日本人だけで構成されているのはヘン。
英語ができない役員が
いるのは論外。



上場の時に自分の持ち株を放出するベンチャー経営者は上場する意味を履き違えていてヘン。
そんなことを50%まで認めている
新興市場の上場ルールはものすごくヘン。



資金需要もないのに上場する企業もヘン。
財を成して、もはや事業意欲が薄いのに
居座り続ける創業社長もヘン。



流動性が極めて低い株が上場を維持しているのもヘン。


個人のレベル。


国政を嘆いているのに、
投票に行かないのはヘン。



税金の文句を言うくせに、自分の払っている税額を正確に知らないのはヘン。


自分の考えがあるのに、摩擦を恐れて意見を言わないのはヘン。本当は正しくないと思っていることをそのままに仕事を遂行するのはヘン。


若いころ問題視していた会社の矛盾に慣れ切って、自然に受け入れているのもヘン。
後輩社員に、
社会はそんなもんだと
説教しているのは
圧倒的にヘン。



一生懸命意見を言う社員をうるさく思うのもヘン。仕事で反論されたことを根にもち、個人を恨むのもヘン。


意見する人間を生意気といって妬むのもヘン。


妬みから生意気な人間の正論を聞かないのはヘンどころか、会社にとって最悪。



…いや~、「個人のレベル」では、ちょっと耳の痛いところがありましたね~。


そう、どの会社も、ヘンな所があるんですけど、長くいると
感覚が麻痺しちゃうんですよね。


私も、説教されたこともあるし、
したこともありますよ。

気付かないうちに、自分も「ヘン」に
なっちゃってるわけですよ。



夏野教授は、

「確かに一人で頑張ったところで変わらない。
でも誰も指摘しなければ、誰も正そうとしなければ、
ヘンなことはヘンなこと
として放置され続ける。



少なくとも自分のできることは徹底的に当たり前に
当たり前のことをやろう。個人の生活から会社の仕事、
そして選挙の投票まで。照れることはない。カッコつけてもいない。


当たり前に当たり前のことを指摘し、行動していれば、
きっと世の中は変わる。会社も変わる。いい方向に。」

と言っています。


サブプライム問題の、日本への本格的な影響は、
2009年頃からと予測されています。


すでに、巨大企業トヨタ自動車の史上初の営業赤字の
発表、それに伴う容赦のない派遣社員の解雇など、
影響が出始めていますね。


幕末のように、と言ったら大げさですが、今までのやり方は
通用しなくなり、改革を余儀なくされるでしょう。


当たり前に当たり前のことを指摘し、行動できる
社会になることを、願いたいものです。


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