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エアーフェスタ2007(航空装備編)

Bフレッツ

2007年12月26日

エアーフェスタ2007(航空装備編)

自衛隊那覇基地のエアーフェスタ2007・第2弾です。
写真は展示飛行から帰還した、自衛隊の主力戦闘機F-15J。
1機だけいました。

那覇基地には、F-15Jが配備されていないので、他の基地からリモートした機体だと思われます。

他の基地から飛来して展示飛行を行い、また帰投していく事をリモートと言います。

おそらく、福岡県の築城(ついき)基地からリモートの機体のようです。

F-15イーグルは、現状では(最新鋭のF-22等を除いて)世界最強の戦闘機と言われているので、その操縦士は敬意を込めてイーグルドライバーと呼ばれています。

1機の価格は約120億円。
アメリカでは半額の約60億円なので、その差額が例の守屋事務次官事件で、裏金として使われていると指摘されたりしています。

那覇基地の主力戦闘機「F-4EJ改」の老朽化に伴い、那覇基地の第83航空隊第302飛行隊は、2008年度までに茨城県百里(ひゃくり)基地の第204飛行隊のF-15Jと交換される予定です。

しかし沖縄ではF-15は「うるさい」事で悪名が高い機体です。沖縄の駐留米軍がこのF-15を大量に保有しており、毎日のように上空で爆音を響かせているからです。

実際、写真のように駐機してエンジンをかけている状態でも、「キィーン」という耳を破るような不快な高音が鳴り響き、見ている人はみんな耳をふさいでいました。

エアーフェスタ2007(航空装備編)

朝のうちは 少し寒かったのですが、昼になるにつれ暑くなってきて、12月なのに日焼けしそうな快晴の航空祭。さすが沖縄ですね。この時期に本土の基地で航空祭をやったら、凍死しそうになるはずです。

エアーフェスタ2007(航空装備編)

個人的に好きなCH-47J。米軍のCH-47チヌークがベースの、タンデムローター式の大型輸送ヘリコプターです。

普通のヘリコプターは、機体中心部付近に大きなメインローターを、機体後部の先端に小さなテイルローターがついています。テイルローターがないと、機体がメインローターと一緒にくるくる回転して墜落してしまうので、テイルローターの揚力で打ち消して、機体の回転を防いでいます。

これに対してCH-47のようなタンデムローター式のヘリコプターでは、機体上部にメインローターに相当する大きなローターを2つ、前後に並べて設置し、互いに逆向きに回転させることで機体の回転を防いでいます。

エアーフェスタ2007(航空装備編)

大きくてパワーがあるので、米軍のCH-47は装甲車や大砲をつり下げて運んだり、パラシュート部隊を降下させたりしています。自衛隊では主に航空基地と点在しているレーダーサイト等へ必要器材などを運ぶ事が任務だそうです。大型燃料タンク、気象レーダー、地図表示装置、2重化慣性航法装置(GPS内蔵)、床レベリング装置などを装備しています。

エアーフェスタ2007(航空装備編)

航空自衛隊のUH-60J。米軍のUH-60 ブラックホークを自衛隊向けに改造した機体です。

日本の自衛隊向けの機種は末尾に"J"が付与されるものが多いです。低視認(ロービジ)塗装として洋上迷彩が施されています。

エアーフェスタ2007(航空装備編)

こちらは陸上自衛隊のUH-60JA。
ローター前方の突起物はワイヤー・カッター(進路を妨げる電線やトラップワイヤー等を切断する装置)です。


エアーフェスタ2007(航空装備編)

P-3C 哨戒機。
P-3Cは領海侵犯をしている外国の潜水艦を探知、必要に応じては攻撃もできる対潜哨戒機です。導入時の海上自衛隊演習では、次々と潜水艦の探知に成功し、海上自衛隊潜水艦部隊からP-3Cショックと呼ばれるほどの脅威とみなされました。

しかしその後は海自潜水艦の静粛性が向上し、現在では赤外線暗視装置などによってシュノーケル航走中の潜水艦探知で成果をあげているそうですが、潜水艦のAIP推進化が進んでおり、技術的優勢の継続は難しいものと思われています。

平成10年頃から対潜哨戒機から哨戒機へと機種呼称を変更しており、対潜水艦一辺倒だった体制を改善し、不審船対策や東シナ海ガス田に対する監視の強化も任務としています。


エアーフェスタ2007(航空装備編)

E-2C早期警戒機。
航空作戦を効果的に遂行する使命を担った早期警戒機です。米軍のE-2ホークアイを改造した機体で、ホークアイが元々空母艦載用に設計されているので、写真のように主翼をたたむことができます。

E-2C早期警戒機の役割は多岐にわたります。低空侵入機の早期発見、そしてその対処の迅速化、陸・海部隊との作戦連携、捜索・救難・指揮の円滑化、陸上レーダーサイト機能の代替、通信の中継など、航空作戦を効果的に遂行する使命を担っています。


エアーフェスタ2007(航空装備編)

F-4EJ改。ここ那覇基地の第83航空隊第302飛行隊の主力戦闘機です。

F-4EJは、米空軍のF-4ファントムを改造した戦闘機で、日本での運用には不必要な装備を取り除き、データ・リンクを載せて要撃戦闘機タイプにしたものです。

F-15Jが導入されるまで主力戦闘機の地位にあり、日本の空の防衛を担いました。1986年(昭和61年)からは数の上でF-15Jが主力戦闘機となりましたが、1989年(平成元年)より延命・能力向上を目的として90機が改修を受け「F-4EJ改」となり防空任務に就いています。

最初に日本に輸入されたのが1966年(昭和41年)といいますから、機齢(飛行機の年齢)は40年を超え、老朽化や後継機種のF-15Jの配備、部隊の改編に伴い、徐々にその数を減らしています。

エアーフェスタ2007(航空装備編)

個人的には好きな機体です。途中で斜め上に折れ曲がっている主翼やなど、デザインが綺麗です。

垂直尾翼に「爆闘」と書かれていますね。

古いとはいえ、最高速度はマッハ2.2で飛ぶ超音速戦闘機です。この速度で飛ぶと、沖縄本島最南端の喜屋武岬から最北端の辺戸岬まで、わずか2分半で到達してしまうそうです。

現在日本でF-4を実戦部隊で運用しているのは青森県三沢基地第3航空団の第8飛行隊、宮崎県新田原基地第5航空団の第301飛行隊、そして沖縄県那覇基地の第83航空隊第302飛行隊の三個飛行隊のみです。先述したように那覇基地の第302飛行隊は2008年度までに百里基地の第204飛行隊のF-15Jと交換され、最新鋭のF-X導入後すぐさま更新される予定だそうです。

F-Xは当初米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F-22Aラプターが予定されていましたが、非常に性能が高いために、米下院がF-22Aの海外への輸出禁止を決めてしまい、現在日本政府はF-22の取得を断念しています。


エアーフェスタ2007(航空装備編)

主翼下部のミサイルポッドに懸架できる兵器類。
左手前が19発装填のJ/LAU3A発射筒に収まる70mm空対地/水ロケット弾。

エアーフェスタ2007(航空装備編)

空対空赤外線ミサイル AIM-9L サイドワインダー。
いわゆる「サイドワインダー」として知られるパッシブ赤外線方式の短射程空対空ミサイルです。米国レイセオン社で開発されました。

エアーフェスタ2007(航空装備編)

ASM-1 80式空対艦ミサイル。
国産の空対艦ミサイルで、約7年の歳月をかけて完成したそうです。

エアーフェスタ2007(航空装備編)

Mk82/500ポンド普通爆弾。
地上構造物・水上艦艇等を目標とし、これらに対する攻撃に使用されます。

エアーフェスタ2007(航空装備編)

機首下部に小さな穴があり、その中に20mm機関砲M61が装備されています。
航空機用6銃身回転式20mmガトリング・ガンで、携行弾数は航空機によって異なり、F-15Jで950発、F-4EJ改では635発です。

こんな機関砲で撃たれたらたまったものではありませんが、過去に1度だけ、しかもこの那覇基地所属のF-4EJ改が、民間施設を誤射してしまったことがあります。

2001年6月25日に那覇基地の第83航空隊第302飛行隊所属のF-4EJ改が、北海道の島松射撃場上空で訓練中、何も操作していないのに機関砲がいきなり勝手に発砲をはじめ、北広島市の民間施設や車両に損害を与える事故が発生してしまいました。

事件は全国に報道され、中谷防衛庁長官(当時)が陳謝、小泉首相(当時)が再発防止を指示するなど、大変な騒ぎになりました。

その後の調査で、EJからEJ改への改修に際して配線ミスが原因と判明し、整備点検方法の見直しと徹底、さらに弾丸を装填せずに演習を行うなど、事故の再発防止に努めているそうです。


エアーフェスタ2007(航空装備編)

RF-4E。F-4戦闘機に見えますが、偵察機です。
茨城県の百里基地の501SQに全機が配備されていて、そこからリモートの機体が展示されていました。

ちなみにSQとはSquadronの略です。直訳すれば、戦隊・部隊の事で、航空自衛隊では、「飛行隊」という意味で使われています。501SQといえば、「501飛行隊」の事です。

RF4Eは、F-4ファントムをベースに始めから偵察機として生産された機体です。そのため、F4Eでは機首の下にあったM61バルカン砲が無く、その位置には偵察カメラが埋め込まれています。

カメラは機体のスピードに連動して写真が流れないようになっています。側方偵察レーダー、赤外線探査装置、低高度パノラマ・高高度パノラマ・前方フレームの3種のカメラによって、雨中でも夜間でも偵察・撮影ができます。

雲仙普賢岳噴火や奥尻島津波などで被災地を撮影、災害対策を支援したそうです。


エアーフェスタ2007(航空装備編)

F-2A/B。
F-2は、米国のF-16ファイティング・ファルコンを、日本の運用の考え方や地理的な特性に合わせ、日米の優れた技術を結集し日米共同で改造開発した戦闘機です。昭和63年にFS-Xとして開発に着手し、平成7年に初飛行、12年度に開発は完了しました。F-16からの主な改造点は、旋回性能の向上のため主翼面積を増やし、軽量化のため先進材料や先進構造を取り入れたこと。また離陸性を高めるためエンジンを推力向上型に変え、さらに最新レーダーなど、先進の電子機器を採用しています。

このF-2は今年の10月31日、愛知県豊山町の県営名古屋空港で離陸に失敗し、滑走路脇で炎上してパイロット2人が負傷した事故を起こしたので変なところで有名になってしまいました。原因は整備の際、飛行機を操舵する配線を間違えたため、操縦不能になったといわれています。

エアーフェスタ2007(航空装備編)

中等練習機T-4。
基本操縦課程の全てを担う、信頼性・整備性の高い純国産の練習機です。

このT-4とF-4だけ、写真のように操縦席に座れます。1時間ぐらい並びますけど。しかも操縦席は撮影禁止です。

昭和56年から開発に着手され、60〜62年度の間に技術・実用試験を実施しました。量産初号機が63年9月に教育航空部隊1空団に配備され、続く2号機の配備で同年10月、臨時T-4教育飛行隊を編成、教官養成を始めました。脱出装置の一つであるキャノピー破砕方式や機上酸素発生装置を備え、さらに炭素系複合材などの新技術を採用しており、信頼性、整備性に優れた純国産の航空機です。平成元年に31教育飛行隊が、2年には32飛行隊が編成されたことで、基本操縦課程はT-4が全てを担うことになりました。

現在はブルーインパルスもこの機体を使用しています。


エアーフェスタ2007(航空装備編)

飛行機見物という点では、空港の特性上トラフィックの多い民間機も間近に見られるのも那覇空港ならでは。軍用機ファンと、民間機ファンが同時に楽しめます。実際それらしき人達も大勢いて、高そうなカメラを持ってシャッターチャンスを待っていました。中には1人で4台もカメラを持つ強者までいました。

ポケモンジェットやたまごっちジャンボが通りかかると子どもたちがはしゃいでいました。


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